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眼瞼けいれん・片側顔面けいれんの治療

眼瞼(がんけん)けいれん・片側(へんそく)顔面けいれんの治療

・当院では、毎週水曜日12:00−18:00で神経内科の専門医による「眼瞼(がんけん)けいれん」「片側(へんそく)顔面けいれん」の患者様向けの外来診療を行っております。

診察は完全予約制です。受診希望の方は、希望日の1週間以上前までにお電話でご予約下さい。

「眼瞼(がんけん)けいれん」について

 眼瞼(がんけん)けいれんは、自分の意志と関係なくまぶたがけいれんし、まばたきがしにくくなる病気です。まばたきの異常などまぶたの運動障害に加えて、まぶしい、目の周辺が痛い、目が乾く感じがする、不快に感じるなど感覚過敏の症状がある点も特徴です。不眠、抑うつ、不安など精神症状を持つ方も少なくなく、うつ病などと間違えられることもあります。

 40~50歳以上に多く、男性よりも女性の方がかかりやすいとされています。日本には30~50万人以上の罹患者がいると推定されています。

「眼瞼けいれん」の治療
 多くの場合、原因の特定ができておらず、病気そのものを根本的に治す方法はありません。

対症療法として、眼周囲の皮膚にボツリヌス毒素Aを製剤にしたものを少量注射して、目をつぶる力を弱める方法が主流です。効果は2~4か月持続します。ほかには、まぶたの手術、内服薬による薬物療法などを行う医療機関もあります。

なお、抑うつ感があると症状が悪化するので、メンタルケアも大切です。また、抗精神病薬や睡眠導入剤などの服用などが誘因になっている場合は、これらの薬の服用を見直しをしたり、中止したりすることで症状が軽減することがあります。

いずれにしても、病気に対する理解が重要であり、必要に応じて専門医の診察・助言を仰ぐことが有用です。

「片側(へんそく)顔面けいれん」とは
 片側の目をつぶるための筋肉、笑うときに収縮する筋肉、口の開閉にかかわる筋肉が勝手に収縮したり、収縮と弛緩を繰り返してピクピクしたりする病気です。40歳以上に多く、男性よりも女性の患者様が多い疾患です。

会話や食事の際などに起こりやすく、はじめは目の周囲だけの運動としてみられますが、徐々に顔の片側の筋肉がピクピクと勝手な運動をおこすようになります。また、顔面神経麻痺の治りかけに出現する症例もあります。

「片側顔面けいれん」の治療

脳幹部の顔面神経が出てくる部分の血管が蛇行し、顔面神経を圧迫するために起こることが多いと言われています。
治療法は、けいれんがおこる筋にボツリヌス毒素A製剤を少量注射して、けいれんを止める方法が主流になりつつあります。効果はおおむね3~4か月程度です。このほか、脳外科的な手術を行うこともあります(当院では手術は行っておりません)。

■ボツリヌス療法を受ける際の留意事項

・ボツリヌス療法は、対症療法なので基本的には定期的なボツリヌス毒素A製剤の投与が必要になります。

・ボツリヌス毒素A製剤は「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦」の方への投与はできません。

妊婦、授乳婦に対する安全性は確立していません。同剤の使用上の注意には以下のように記載されています。
「妊娠する可能性のある婦人は、投与中及び最終投与後2回の月経を経るまでは避妊する。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕」
「男性は、投与中及び最終投与後少なくとも3ヵ月は避妊する。〔精子形成期間に投与されることを避けるため。〕」

・製剤は顔面に注射します。このため、注射当日の洗顔・化粧は避けて下さい。

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