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勃起すると痛む原因を徹底解説|潜む病気と正しい対処法

勃起時に痛みを感じることは、多くの男性にとって非常に不安な症状でしょう。通常、勃起は痛みを伴うものではありませんが、何らかの異常が隠れているサインである可能性も考えられます。「勃起すると痛む」という症状は、一時的なものから、早急な治療が必要な病気まで、様々な原因が考えられます。この記事では、勃起時の痛みの主な原因となる病気や、その他の要因、そして医療機関を受診すべき目安について詳しく解説します。ご自身の症状と照らし合わせながら、今後の行動の参考にしてください。

目次

勃起時の痛みに潜む代表的な病気

勃起時の痛みの原因として、いくつかの代表的な病気が挙げられます。これらの病気は、陰茎やその周辺組織に炎症、損傷、あるいは構造的な変化を引き起こし、勃起に伴う血流増加や組織の伸展によって痛みを発生させます。

持続勃起症

持続勃起症とは?

持続勃起症とは、性的刺激や欲求とは無関係に、勃起が4時間以上持続する状態を指します。これは泌尿器科における緊急性の高い疾患の一つです。勃起が長時間続くと、陰茎海綿体内の血液循環が悪化し、組織への酸素供給が滞り(虚血)、強い痛みを伴うようになります。放置すると、海綿体組織が irreversible な損傷を受け、永続的な勃起不全を引き起こす可能性があります。

なぜ持続勃起症で痛むのか?

勃起は、陰茎海綿体というスポンジ状の組織に血液が流れ込むことで起こります。通常、勃起が収まる際には、海綿体に流れ込んだ血液が静脈を通って排出されます。しかし、持続勃起症では、この血液の排出がうまくいかずに海綿体内に血液が貯留し続けます。特に虚血性持続勃起症では、陰茎海綿体内の血液が古くなり酸素濃度が低下します。この虚血状態が長時間続くと、組織は酸素不足によるダメージを受け、炎症物質が放出され、強い痛みを引き起こします。痛みは時間経過とともに増強し、非常に耐えがたいものとなることが多いです。

虚血性持続勃起症と非虚血性持続勃起症

持続勃起症は、その原因によって主に「虚血性(低流量型)」と「非虚血性(高流量型)」に分類されます。

分類 原因 勃起の状態 痛みの有無 緊急性
虚血性持続勃起症 海綿体からの血液排出障害(鎌状赤血球症、特定の薬剤、外傷など) 硬く痛みを伴う(勃起が完全に固いことが多い) 強い 高い
非虚血性持続勃起症 陰茎動脈と海綿体洞の間の異常な交通(動脈性シャント、外傷など) 硬さは不十分で、しばしば完全に硬くならない。痛みは少ないか、あっても軽度。 少ない 低い

勃起時に強い痛みを伴うのは、主に虚血性持続勃起症です。こちらは早期の治療介入が不可欠であり、放置すると組織壊死や永続的な勃起不全につながる危険性があります。非虚血性持続勃起症は痛みや緊急性は低いですが、放置すると海綿体の線維化などを引き起こす可能性があるため、適切な診断と治療が必要です。

持続勃起症の治療法

虚血性持続勃起症は、発症からの時間経過が非常に重要です。4時間以上持続する場合は、速やかに医療機関(特に泌尿器科)を受診する必要があります。治療の目標は、海綿体内の血液を排出し、正常な血液循環を回復させることです。
治療法としては、以下のようなものがあります。

  • 陰茎海綿体からの血液吸引: 細い針を陰茎に刺し、海綿体内の古い血液を吸引する処置です。通常、吸引と同時にα作動薬(アドレナリンなど)を海綿体内に注入し、血管を収縮させて血液排出を促します。
  • α作動薬の陰茎海綿体内注射: 吸引と組み合わせて行われることが多いですが、状況によっては薬剤単独で用いられることもあります。
  • 外科的シャント手術: 上記の処置で効果がない場合、陰茎の静脈と海綿体との間に新たな通路(シャント)を作成し、血液の排出を促す手術が行われます。

非虚血性持続勃起症の場合は、緊急性は低いですが、経過観察や、動脈性シャントに対する選択的動脈塞栓術などの治療が行われることがあります。いずれにしても、専門医による正確な診断に基づいた治療が必要です。

ペロニー病(陰茎硬化症)

ペロニー病とは?

ペロニー病(陰茎硬化症)は、陰茎の白膜(陰茎海綿体を覆う丈夫な膜)の一部が線維化して硬い「プラーク」を形成する病気です。このプラークが原因で、勃起時に陰茎が通常とは異なる方向に曲がったり、痛みを伴ったりします。原因は完全には解明されていませんが、繰り返し陰茎にかかる微小な外傷(性行為など)や遺伝的要因、自己免疫疾患などが関連していると考えられています。40代以降の男性に多く見られますが、若い世代でも発症することがあります。

ペロニー病で勃起時に痛む理由

ペロニー病による勃起時の痛みの原因は、主にプラークの存在と、勃起に伴う陰茎組織の伸展です。勃起時には、陰茎海綿体に血液が充満し、白膜が伸展して陰茎が硬くなります。しかし、ペロニー病では白膜の一部に硬いプラークが存在するため、プラークのある部分は十分に伸展できません。プラーク周囲の正常な白膜が伸展しようとする際に、硬いプラークによって引っ張られたり圧迫されたりすることで、痛みが引き起こされます。特に病気の初期(急性期)には炎症を伴っていることが多く、この時期に痛みが強く出やすい傾向があります。

ペロニー病の症状(陰茎の曲がりなど)

ペロニー病の主な症状は以下の通りです。

  • 勃起時の痛み: 病気の初期(急性期)に多く見られます。プラークが形成される過程で炎症が起き、勃起時に痛みを伴います。病気が進行しプラークが安定すると(慢性期)、痛みは軽減するか消失することが多いです。
  • 陰茎の湾曲: プラークのある側や部位によって、勃起時に陰茎が曲がります。上下左右、あるいは複合的に曲がることもあります。湾曲の程度は様々で、軽度なものから性行為が困難になるほど重度なものまであります。
  • 陰茎のしこり(プラーク): 陰茎の触診で、硬いしこりとして感じられることがあります。
  • 陰茎の短縮: 陰茎が曲がることで、勃起時の長さが以前より短くなったと感じることがあります。
  • 勃起力の低下: プラークが陰茎の血管や神経を圧迫したり、精神的な影響により勃起力が低下したりすることがあります。

これらの症状は病気の進行によって変化することがあり、特に急性期には痛みと湾曲の進行が見られ、慢性期には痛みが軽減し湾曲が固定化する傾向があります。

ペロニー病の治療法

ペロニー病の治療は、病気の進行段階や症状の程度によって異なります。

  • 保存療法: 病気の初期(急性期)や症状が軽度な場合に行われます。
    • 内服薬: ビタミンE製剤、P-アミノ安息香酸カリウム製剤、タモキシフェンなどが用いられることがありますが、効果には個人差があります。
    • 局所注射: プラーク内にベラパミルやステロイドなどを直接注射する方法です。プラークを柔らかくしたり、炎症を抑えたりする効果が期待されますが、痛みを伴う場合があります。
    • 物理療法: 陰茎牽引療法や体外衝撃波療法などがあります。牽引療法は陰茎の長さを維持・回復させる目的で、衝撃波療法は痛みの軽減やプラークの改善を目的に行われることがあります。
  • 手術療法: 病気が慢性期に入り、湾曲が固定化して性行為に支障がある場合などに検討されます。
    • プラーク切除術とグラフト術: プラークを切除し、その部分に自身の組織(静脈など)や人工物を移植して補う手術です。湾曲の矯正効果が高いですが、勃起力の低下や感覚の変化などのリスクがあります。
    • 陰茎湾曲矯正術(Nesbit法など): プラークの反対側の白膜の一部を縫い縮めることで、陰茎をまっすぐにする手術です。陰茎の長さが多少短くなる可能性がありますが、比較的安全な方法とされています。

ペロニー病の治療は、患者さんの希望や症状、病気の状態を総合的に判断して行われます。自己判断せず、泌尿器科医とよく相談することが重要です。

亀頭包皮炎

亀頭包皮炎とは?

亀頭包皮炎は、陰茎の先端部分である亀頭と、それを覆う包皮に炎症が起こる状態です。細菌や真菌(カンジダなど)の感染、あるいはアレルギー反応などが原因となります。特に包茎の男性は、亀頭と包皮の間に汚れや恥垢が溜まりやすく、湿った環境が保たれるため、細菌や真菌が繁殖しやすく、亀頭包皮炎を起こしやすい傾向があります。

包茎が亀頭包皮炎の原因になる?

はい、包茎は亀頭包皮炎の大きなリスク因子の一つです。仮性包茎や真性包茎の場合、亀頭が常に包皮に覆われているため、通気性が悪く湿った状態が保たれやすくなります。また、尿や垢(恥垢)が包皮の内側に溜まりやすく、不潔になりがちです。これらの環境は、細菌や真菌の繁殖に最適な条件となり、炎症を引き起こす可能性が高まります。特に真性包茎で包皮が完全に剥けない場合は、清潔を保つのが非常に難しく、炎症を繰り返しやすいです。

勃起時に亀頭や皮が痛む・ヒリヒリする原因

亀頭包皮炎による勃起時の痛みやヒリヒリ感は、炎症によって過敏になった皮膚が、勃起に伴う陰茎組織の伸展や包皮の動きによって刺激されることで生じます。

  • 炎症による皮膚の過敏性: 炎症を起こしている亀頭や包皮の皮膚は、普段よりも刺激に対して敏感になっています。
  • 組織の伸展: 勃起時には、陰茎全体が大きくなり、亀頭も膨張します。また、包皮も伸展します。炎症を起こしている皮膚は、この伸展によって引っ張られる際に痛みを感じやすくなります。
  • 摩擦: 勃起時の陰茎と包皮の摩擦や、性行為中の摩擦によって、炎症部位が擦れて痛みやヒリヒリ感が強まります。特に包茎の場合、勃起によって亀頭が露出する際に包皮が強く締め付けられたり、あるいは亀頭が露出せず包皮の内側で摩擦が起きたりすることで、痛みが悪化することがあります。

また、亀頭や皮に小さな亀裂やただれがある場合、勃起時の伸展や摩擦によって傷口が開いたり刺激されたりして強い痛みを伴うこともあります。陰部がズキズキするような痛みを感じることもあります。

亀頭包皮炎の症状と治療法

亀頭包皮炎の主な症状は以下の通りです。

  • 亀頭や包皮の赤み、腫れ
  • かゆみ、ヒリヒリ感
  • 痛み(特に勃起時や排尿時)
  • ただれ、びらん、小さな潰瘍
  • 悪臭のある白いカス(恥垢)の増加
  • 膿のような分泌物

治療は、原因となっている病原体に応じた薬剤を用います。

  • 清潔保持: まずは患部を清潔に保つことが重要です。刺激の少ない石鹸で優しく洗い、よく乾燥させます。
  • 外用薬: 細菌感染が疑われる場合は抗生物質入りの軟膏、真菌(カンジダ)感染の場合は抗真菌薬の軟膏が処方されます。
  • 内服薬: 炎症が強い場合や、外用薬で改善しない場合は、抗生物質や抗真菌薬が内服薬として処方されることもあります。

多くの場合、適切な治療を行えば数日から1週間程度で症状は改善します。再発を繰り返す場合は、包茎手術を検討することもあります。

尿道炎・前立腺炎

尿道炎・前立腺炎とは?

尿道炎は、尿の通り道である尿道に炎症が起こる病気です。性感染症(淋菌、クラミジアなど)や、大腸菌などの一般細菌の感染が主な原因となります。前立腺炎は、膀胱の下に位置する男性特有の臓器である前立腺に炎症が起こる病気です。細菌感染によるものと、原因が特定できない非細菌性のものがあります。尿道炎や前立腺炎は合併して起こることも珍しくありません。

射精後や勃起時に痛みを感じる原因

尿道炎や前立腺炎がある場合、射精後や勃起時に痛みが起こることがあります。

  • 射精後の痛み: 射精時には、尿道や前立腺、精嚢などが収縮します。これらの臓器に炎症があると、収縮によって炎症部位が刺激され、痛みを伴うことがあります。特に前立腺炎では、射精時や射精後に会陰部(肛門と陰嚢の間)や下腹部、腰などに痛みが感じられることがあります。陰部全体がズキズキするような痛みとして感じられることもあります。
  • 勃起時の痛み: 尿道に炎症がある場合、勃起によって陰茎が伸展し、尿道も引っ張られる際に炎症部位が刺激されて痛みを感じることがあります。また、前立腺の炎症が強い場合、勃起に伴う血流増加や骨盤底筋の緊張によって前立腺が圧迫され、痛みが増強することがあります。

これらの痛みは、炎症の程度や範囲によって、軽度の違和感から強い痛みまで様々です。

尿道炎・前立腺炎の症状と治療法

尿道炎や前立腺炎の主な症状は以下の通りです。

  • 尿道炎: 排尿時の痛み(特に排尿開始時)、頻尿、尿道のかゆみや不快感、尿道からの分泌物(膿や粘液)。
  • 前立腺炎: 会陰部の痛み、下腹部痛、腰痛、睾丸痛、排尿時の痛みや灼熱感、頻尿、残尿感、排尿困難、射精時の痛みや不快感、発熱(急性細菌性前立腺炎の場合)。

治療は、原因に応じて異なります。

  • 抗生物質: 細菌感染が原因の場合は、原因菌に有効な抗生物質を内服します。性感染症の場合は、パートナーの治療も必要です。
  • 対症療法: 痛みや排尿困難などの症状を和らげるために、鎮痛剤やαブロッカー(前立腺周囲の筋肉を弛緩させる薬)が処方されることがあります。
  • 生活指導: 骨盤底筋のストレッチ、入浴、飲酒やカフェインの制限などが推奨されることがあります。

尿道炎や急性細菌性前立腺炎は、適切な抗生物質治療で比較的早期に改善することが多いですが、慢性前立腺炎は治療に時間がかかる場合があり、症状が再燃することもあります。

その他の勃起時痛みの原因

代表的な病気以外にも、勃起時に痛みを感じる原因はいくつか考えられます。

陰茎の物理的な損傷(付け根の痛み、陰部全体の痛みなど)

陰茎に直接的な外力が加わることで、勃起時に痛みを引き起こすことがあります。最も重篤なものは「陰茎折症(陰茎海綿体損傷)」です。これは、勃起した陰茎に急激かつ強い外力が加わり、白膜が破れてしまう状態です。性行為中に誤った体位で無理な力がかかったり、寝返りをうった際にベッドの角などにぶつけたりすることで発生します。
陰茎折症が発生すると、通常「パキッ」という断裂音と共に強い痛みが生じ、勃起が急速にしぼみ、陰茎全体が腫れ上がって紫色に変色します(血腫)。これは泌尿器科の緊急疾患であり、直ちに医療機関を受診し、通常は手術による修復が必要です。放置すると、勃起不全や陰茎の変形、痛みが残る可能性があります。
他にも、陰茎やその付け根周辺に打撲や圧迫などの外傷を受けた後、内部で軽微な出血や組織の損傷が起こり、勃起時の血流増加や伸展によって痛みが誘発されることがあります。陰部全体のズキズキとした痛みを伴うこともあります。これらの痛みも、時間経過とともに改善しない場合や、腫れや変色を伴う場合は医療機関への受診を検討すべきです。

過度な性行為や摩擦

一度に長時間にわたる、あるいは頻繁すぎる性行為は、陰茎の皮膚や粘膜に摩擦による刺激や損傷を与え、炎症や小さな傷を引き起こすことがあります。特に潤滑が不十分な状態で性行為を行うと、皮膚が擦れてヒリヒリしたり、小さな亀裂が入ったりしやすくなります。このような状態の陰茎が勃起すると、皮膚が伸展して傷口が開いたり、炎症部位が刺激されたりすることで痛みが生じます。
また、マスターベーションの際も、過度な力や摩擦、あるいは乾燥した状態で行うと、同様の皮膚や粘膜の損傷が起こり、勃起時に痛みを伴う原因となることがあります。

包茎による物理的な痛み

包茎(特にカントン包茎)の場合、勃起時に包皮が亀頭を締め付けてしまい、血流が阻害されて痛みや腫れを引き起こすことがあります。カントン包茎は、狭い包皮が亀頭の根元で締め付けられ、元に戻らなくなった状態です。これは緊急性の高い状態であり、放置すると亀頭の血行障害により壊死に至る危険性があります。勃起によってカントン包茎が誘発され、強い痛みを伴うこともあります。
また、仮性包茎の場合でも、勃起時に亀頭が露出する際に包皮の開口部が狭いために引っかかって痛んだり、包皮の内側で強い摩擦が起こって痛みを伴ったりすることがあります。

その他まれなケース

勃起時の痛みはまれな原因によって引き起こされることもあります。

  • 陰茎の血管の異常: 陰茎内の血管に血栓ができたり、動静脈の異常な交通があったりする場合に、勃起時の血流変化によって痛みを伴うことがあります。
  • 陰茎癌: 進行した陰茎癌の場合、腫瘍が周囲組織を圧迫したり浸潤したりすることで、勃起時に痛みを伴うことがあります。ただし、陰茎癌は比較的まれな病気です。
  • 神経障害: 陰茎に関連する神経に何らかの障害がある場合、勃起時に異常な痛みとして感じられることがあります。
  • 薬剤の副作用: 一部の薬剤が、まれに持続勃起症などの副作用を引き起こし、それが痛みの原因となることがあります。

これらのまれなケースは専門的な診断が必要であり、自己判断は危険です。

勃起時の痛みに悩んだら:受診の目安と専門家

勃起時の痛みが一時的な軽微なものであれば、様子を見ても良い場合があります。しかし、以下のような症状が見られる場合は、速やかに医療機関、特に泌尿器科を受診することを強く推奨します。

どんな時に泌尿器科を受診すべきか?

痛みが強い・続く場合

勃起時の痛みが非常に強い場合や、勃起が収まっても痛みが続く場合は、持続勃起症や陰茎折症といった緊急性の高い疾患の可能性があります。特に勃起が4時間以上持続し、痛みを伴う場合は、速やかに救急外来を受診してください。痛みがそれほど強くなくても、数日経っても痛みが改善せず続く場合も、何らかの病気が隠れている可能性があるため、泌尿器科を受診しましょう。

ブツブツや膿を伴う場合

陰茎や亀頭、包皮に赤み、腫れ、痛みだけでなく、ブツブツやただれ、膿のような分泌物を伴う場合は、亀頭包皮炎や性感染症を含む尿道炎などの感染症が強く疑われます。これらの疾患は適切な治療を行わないと悪化したり、パートナーに感染させたりする可能性があるため、早めに泌尿器科を受診して診断と治療を受けることが重要です。

その他気になる症状がある場合(陰部のズキズキなど)

勃起時の痛みだけでなく、勃起していない時でも陰茎の付け根や陰部全体がズキズキ痛む、排尿時に痛む、尿道から分泌物が出る、陰茎が曲がる、陰茎にしこりがある、性行為後に陰茎が腫れる、といった症状を伴う場合は、持続勃起症、ペロニー病、尿道炎、前立腺炎、物理的損傷、まれな疾患など、様々な原因が考えられます。自己判断せずに、少しでも気になる症状がある場合は、専門家である泌尿器科医に相談することが最も安心で確実な方法です。

泌尿器科での検査・診断

泌尿器科を受診すると、まず医師による問診が行われます。痛みの始まった時期、痛みの性質(ズキズキ、ヒリヒリなど)、痛みの強さ、痛む場所、どのような時に痛むか(勃起時、勃起後、射精時など)、痛みの他にどのような症状があるか(陰茎の曲がり、しこり、排尿困難、分泌物など)、既往歴、服用中の薬、性行為の状況など、詳細な情報を医師に正確に伝えましょう。
問診に加えて、視診や触診で陰茎やその周辺の状態を確認します。必要に応じて、以下のような検査が行われることがあります。

  • 尿検査: 尿道炎や前立腺炎の診断に役立ちます。尿中の白血球や細菌、あるいは性感染症の原因菌などを調べます。
  • 血液検査: 炎症の程度や全身状態を把握するために行われることがあります。
  • 超音波検査: 陰茎内の血流、プラークの有無や大きさ、前立腺の状態などを調べるために用いられます。
  • 尿道分泌物検査: 尿道炎の原因菌(淋菌、クラミジアなど)を特定するために行われます。

これらの問診や検査結果を総合的に判断して、痛みの原因を特定し、適切な診断が下されます。

専門家による適切な治療の重要性

勃起時の痛みは、原因によって治療法が大きく異なります。自己判断で市販薬を使用したり、放置したりすることは危険です。特に、持続勃起症や陰茎折症のように緊急性の高い疾患の場合、適切な治療が遅れると、陰茎組織への永続的な損傷や、その後の勃起機能に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、亀頭包皮炎や尿道炎のような感染症の場合、原因菌に効かない薬を使用したり、治療を途中でやめたりすると、症状が悪化したり再発を繰り返したりする可能性があります。性感染症の場合は、パートナーへの感染拡大を防ぐためにも、適切な診断に基づいた治療が不可欠です。
ペロニー病のように経過観察や様々な治療選択肢がある病気の場合も、専門医の診断に基づいて、病気の進行段階や症状に合わせた最適な治療法を選択することが重要ですし、亀頭包皮炎や包茎による痛みの場合は、包茎手術も選択肢の一つとなります。
泌尿器科医は、男性の生殖器や尿路系の専門家です。勃起時の痛みに関する悩みや不安に対して、適切な診断と治療を提供し、安心して相談できる相手です。勃起時の痛みに悩んだら、恥ずかしがらずに、まずは泌尿器科の専門医に相談しましょう。早期発見・早期治療が、症状の改善と、将来の健康維持につながります。

まとめ

勃起すると痛むという症状は、決して軽視できない体のサインです。その原因は、持続勃起症、ペロニー病、亀頭包皮炎、尿道炎・前立腺炎といった病気から、物理的な損傷、過度な摩擦、包茎による締め付けなど、多岐にわたります。
特に、勃起が長時間(4時間以上)持続して痛む場合は持続勃起症、性行為中に「パキッ」という音と共に強い痛みと腫れが生じた場合は陰茎折症の可能性があり、これらは緊急性の高い疾患です。また、痛みだけでなく、陰茎の曲がり、しこり、亀頭や包皮の赤み・ただれ・膿、排尿時の痛みや分泌物、陰部全体のズキズキとした痛みなどを伴う場合も、速やかに泌尿器科を受診する必要があります。
泌尿器科では、問診や診察、必要に応じた検査によって痛みの原因を特定し、適切な診断と治療を行います。自己判断や放置は、症状の悪化や後遺症につながる危険性があります。勃起時の痛みに関する不安や気になる症状がある場合は、一人で悩まず、専門家である泌尿器科医に相談し、適切なアドバイスと治療を受けることが最も大切です。


免責事項

この記事の情報は、勃起時の痛みの一般的な原因について解説するためのものであり、特定の症状に対する診断や治療を断定するものではありません。ご自身の症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。この記事の内容によって生じたいかなる結果についても、当方は一切の責任を負いかねます。

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